※「鳥人戦隊ジェットマン」の最終回のネタバレがあります※

『機界戦隊ゼンカイジャー 第18カイ「いのち短し、恋せよゼンカイ!」で泣き寝入りしたオタクの話』

 一週間経っても喉に小骨どころか魚一尾分丸々引っかかっている様な状態なのでここに書き投げさせて欲しい。

 タイトルのまんまなので前置きもなくいきなり本題なんだけど、ゼンカイジャーがジェットマンギアの力でジェットマン本編の最終回パロするのが本当にショックで。泣いた。※マジで泣いた
「恋愛」というワードがテーマになっていた18カイ、公式の予告ツイートも見てたしジェットマンのギアを使うのだろうな~とはぼんやり思っていたが、あんなハイクオリティな最終回ごっこを長々見せられるなんて誰が思ったよ。
なんならこれがやりたかっただけだろ!!!ってくらい気合い入ってて二度びっくりだわ。なんていうか、現場楽しかっただろうな。一切の悪意が伝わってこないから逆に困る。
該当シーンの直前までゲラゲラ笑いながらめちゃくちゃ楽しんで見てたのもあって、教会が映った瞬間この後何を見せられるのか察して血の気が引いていった感覚今でもハッキリ覚えてるよ。


なんてのんきにツイートしてた数分後、雷太さんとサツキちゃんの格好したジュランとフリントちゃん出てくるんだから笑うわ。笑ってねぇよ馬鹿野郎。

 なにがそんなにショックだったのか。一番はやはり「公式自身に結城凱の死を笑いのネタにされたこと」であり、今の私を悩ませているのはそこから派生した"公式の「鳥人戦隊ジェットマン」という作品に対する認識”への不信感だ。
私はあのパロディを見て笑っていたファンをどうこう思うことはない。ネタとして出されたものをネタとして受け取って楽しんだのだから、そこに良いも悪いもなければ正しいも間違いもないのだ。
ジェットマンが好きだから100倍楽しめたという人もいるだろう。これは私がたまたま楽しめないどころか未だかつてないほど心に傷を受けてしまう人だっただけの話だ。
ただあの瞬間、私はあれをネタとして公式が出してきた事に対してそれまで抱いた事のない不快感を覚え、しばらく虚脱状態だった。正直話のオチなんて全く覚えてない。

 結城凱はヒーローだ。

タバコは吸うし、お酒も好きだし、女癖は悪いし、口もあんまり良くないけど、結城凱は、ブラックコンドルは紛れもないヒーローの一員で憧れの対象だったはず。(世代じゃないからリアルタイムの事情はわからないけど……)
「鳥人戦隊ジェットマン」が視聴率低迷問題の打開策として、母親サイドを視聴者側に引き入れる為に当時の流行であったトレンディドラマを意欲的に組み込んできた作品であるのはもはや周知の事実だ。
だけどトレンディドラマである前に歴とした子供向けのヒーロー作品であるはずだ。「ジェットマンはトレンディ♪」の前に「ジェットマン 空飛ぶパワー♪」なんだよ。

竜と香の結婚式だって彼等が戦って勝ち取った幸せの形であり、決して凱の死亡イベントの前振りではない。
それをよりにもよってスーパー戦隊シリーズ公式にああいう形で扱われたのが酷く悲しかった。
今まで散々バラエティやネットの世界で笑いものにされてきて、嫌な思いをしても我慢してきたのにと自分でも怨み言が止められない。
しかも凱役は怪人側で私のお気に入りであるブルーンくんが凱を刺すひったくり役と来た。これならまだ名前も知らないタレントに笑われている方がずっとマシじゃないか。


 第14カイ「決闘!ゼンカイVS​ツーカイ!」において、ステイシーくんが召喚したジャッカー電撃隊の偽物を、ツーカイザーの召喚したビッグワンが問答無用で言う事を聞かせるシーンなんかもそうだけど、ゼンカイジャーの使うギアの力って要は"よく知らないけど確かこんな感じ”なのだ。
だからこれまで戦隊版トレンディドラマとして散々バラエティ番組などで笑いものにされ、時には「怪人は倒せるのにひったくりは倒せない」などと揶揄されてきた故に、本編は知らないけど相関図と結末だけなら他タイトルよりも有名になってしまったジェットマンの力が、最終回の結末そのものであっても無茶苦茶だけど納得せざるを得ないから困りものである。


 これだけ長々お気持ち表明しておきながら、私がもうひとつ懸念しているのが「鳥人戦隊ジェットマン」が好きな人から見た「機界戦隊ゼンカイジャー」及びゼンカイジャー達の印象が悪くなることだ。
私はゼンカイジャー達が好きだからそうなったら悲しい。別に彼等自身がジェットマン達を知っていてやったわけじゃなく、今回の話は神様達のおふざけにゼンカイジャー達が付き合わされた結果なのだから。
(そう言いながらプレミアムバンダイで注文大量キャンセルしてしまったのだけれど)
結局のところ、今回の件はドタバタ楽しいゼンカイジャーの世界に、突如作ってる側が介入してきた様な話だったのだ。
もちろん子供達がそんな風に受け取るわけがないし、これは大人目線の、ただのオタクの言い掛かりに過ぎない。
ただ繰り返すがジェットマンだって、当時見ていた子供達に取っての永遠のヒーローだ。この事実は変わらない。
だからもう二度とこういう趣味の悪いことはしないで欲しいと願うばかりだ。

それにしても、常々戦隊界隈はのんびりしたところだと思っていたけれどもあれで炎上しないのだからすごい。(Twitterという狭い世界での話だけれども)
今までは居心地が良かったんだけれども、みんな面白がっていてなんだか気味の悪さすら感じる。
「もうじき配信始まるはずだから見て!あちらこちらに最終回のネタバレあるから何も調べないで!」って友達に言ってた私は本当にピエロだったなぁ…。

しかしながら「鳥人戦隊ジェットマン」が名作であることは間違いないので、是非2021年9月9日(木)〜2022年3月10日(木)から東映特撮YouTube Officialで配信される本編を見て、改めて最終回を見て欲しい。 トレンディじゃない回も面白いし、ネットに出回ってる雑な相関図よりずっと登場人物も魅力的で何より母親サイドを取り込もうとしただけあってドラマとして見やすい工夫が至る所にあるので初心者にもおすすめ。

以上がゼンカイジャーで体調崩す結果になりそのままセイバーの推しキャラの死を見届ける羽目になったオタクの愚痴でした。




いや30周年祝いで本編配信予定だったなら比較とか言って最終回だけ配信するのやめろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!


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